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2011 年度 実績報告書

コンピュータによる『カンタベリー物語』Gg写本と他写本・諸刊本の計量的比較

研究課題

研究課題/領域番号 21520254
研究機関広島大学

研究代表者

地村 彰之  広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00131409)

研究分担者 中尾 佳之  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10136153)
キーワードチョーサー / 『カンタベリー物語』 / Gg写本 / 諸刊本 / 計量的比較 / コンピュータ / Ellesmere写本 / Hengwrt写本
研究概要

本研究の目的は、ジェフリー・チョーサーの写本と刊本の言語について、コンピュータを利用し、その英語の語彙・統語・文体を総合的に研究し、チョーサーのtextual criticismに貢献することにある。
本研究では、『カンタベリー物語』のGg写本と他の写本やテクストとの間に生じた異同の問題を取り上げる。Hengwrt写本とEllesmere写本は『カンタベリー物語』のみの代表的写本であるが,Gg写本はチョーサーの最も初期に書かれた全集と言われる。これは,Dd(Dd.4.24)写本やコーパス(Corpus)写本と同じく15世紀初期に書かれたものであり、一部欠落部があるもののチョーサーの重要な写本の一つである。
『カンタベリー物語』Gg.4.27写本のデータ入力を行い、『カンタベリー物語』Hengwrt写本とEllesmere写本およびBlake版・Benson版などとその共通点・相違点について包括的に整理するという研究計画に基づき、本研究課題を実践した。整理のためにパーソナル・コンピュータ(以下パソコンと略す)を利用し、下記のように研究を進めた。
『カンタベリー物語』Gg.4.27写本のデータ入力をすすめた。『カンタベリー物語』Hengwrt写本とEllesmere写本およびBlake版・Benson版などのテクストが容易に比較できるようにパソコンでテクスト処理をしている。Gg写本の写字生は頻繁に過去分詞を示す接頭辞y-を落としたと言われるが、接頭辞y-を付けているところもあるということが分かった。以下の例のように、下線部ではわざわざ接頭辞を有標化して"I-"と表しているところは特徴的である。
HG:7r GP 0398 Ful many a draghte of wyn/hadde he drawe
EL:5r GP 0398 Ful many a draughte of wyn/had he drawe
BL:GP 0398 Ful many a draghte of wyn hadde he drawe
BN:GP 0396 Ful many a draghte of wyn had he ydrawe
Gg写本 0396 fful manye a drau〓t of weyn hadde he I-drawe

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] On the Decline of the Prefix y- of Past Participles2011

    • 著者名/発表者名
      Akiyuki Jimura
    • 雑誌名

      From Beowulf to Caxton : Studies in Medieval Languages and Literature, Texts and Manuscripts, Studies in Historical Linguistics

      巻: Vol.7 ページ: 215-228

    • 査読あり
  • [学会発表] Some Notes on Idiomatic Expressions in the History of English : From Chaucer to Dickens2011

    • 著者名/発表者名
      Akiyuki Jimura
    • 学会等名
      Middle and Modern English Corpus Linguistics 2011
    • 発表場所
      大阪大学中之島センター(招待発表)
    • 年月日
      2011-08-28
  • [図書] チョーサーの英語の世界2011

    • 著者名/発表者名
      地村彰之
    • 総ページ数
      245
    • 出版者
      渓水社

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公開日: 2013-06-26  

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