研究課題/領域番号 |
21520260
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
加藤 好文 愛媛大学, 法文学部, 教授 (70136779)
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研究分担者 |
林 康次 愛媛大学, 法文学部, 教授 (60036449)
野崎 重敦 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90189390)
木下 英文 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (40225008)
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キーワード | イギリス:アメリカ / 英米文学 / アイデンティティ / マイノリティ / アメリカス / 「北」と「南」の衝突 |
研究概要 |
加藤は、アメリカ西海岸文化の特質を解明するにあたって、ジョン・スタインベック文学と日系アメリカ人の歴史文化焦点を当てて取り組んだ。成果として、スタインベック関係図書の揃ったボール州立大学(インディアナ州)に招かれて文献研究を進めることができ、さらに日系アメリカ人の収容所体験を文化史的視点から解明した。併せて、研究代表者として全体を統轄した。 林は、アメリカスの視座から19世紀アメリカの作家PoeとMelvilleの作品における実験性を取り上げ、両者にみられるエスニック・アイデンティティの様相を追究した。その成果として、筆者は、PoeとMelvilleは19世紀アメリカにおいて20世紀の南西部における〈アメリカス〉の問題を先取りしていたことを明らかにした。 野崎は、カズオ・イシグロの小説手法の独自性を、イギリスのインド系作家サルマン・ラシュディやアメリカの中国系作家エイミ・タンとの比較から考察し、英米の社会に少数者として生きるアジア系作家に見られる特殊性を幻想性という点を当てて分析した。論文として「『ジョイ・ラック・クラブ』の幻想性について」を発表した。 木下は、haoleとkotonkに焦点を当て、ハワイ日系人の使用例を分析することによって、これらの他者言及表現が状況づけられた談話において構築するアイデンティティの諸相について論じた。その結果、言語によって付与される社会的カテゴリーが会話参与者のエスニシティを動的に表現することが明らかになった。
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