平成22年度の研究計画は、19世紀前半マサチューセッツ州における教育改革の実践に関して文献を調査することであった。この計画に沿って」ブロンソン・オルコットのテンプル・スクールの実践について考察を深め、のちに幼児教育のパイオニアとなったエリザベス・ピボディの思想についても検証した。 実質的には、.平成22年の夏、ハーヴァード大学ワイドナー図書館、およびコンコード公立図書館において調査・資料収集を行ない、現在執筆中の単著の2章に「ソローの愛した子供たち」という論考を組み入れた。さらに、日本英文学会82回大会において「コンコード・エレミヤー-ソローの時代のレトリック」という研究発表を行ない、Proceedingsにその内容を掲載した。また、8月17-19日にはアメリカン・ルネッサンス文学に関するセミナーを開催した。 研究成果としては、上記「ソローを愛した子供たち」の執筆のほか、ミネルヴァ書房より『〈移動〉のアメリカ文化学』(2011年3月、共著)を刊行した。担当したのは2章「アメリカン・ヒーローと進歩思想」であり、〈移動〉という概念をキーワードとして19世紀の超絶主義思想を考察した
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