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2010 年度 実績報告書

イギリス19世紀における科学の制度化が文学に与えた影響について

研究課題

研究課題/領域番号 21520274
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

石倉 和佳  兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (10290644)

キーワードイギリス文学 / 科学史 / 科学制度 / ロマン主義 / ヴィクトリア期
研究概要

平成22年度は、主に次の2点を中心に研究および調査を行った。1)19世紀前半の科学研究や科学的著作における神学的価値観、および文学や文芸との関わりについて検討した。化学など実験を伴う研究では、科学研究の自立性が強く意識されているが、Bridgewater Treatisesなどの事例からは、神の被造物としての自然を探究するというペイリーの著作にも見られる思想的枠組みが、キリスト教信仰と科学研究とを齟齬なく結びつける意匠として機能していることが分かった。これらの点をふまえて、王立協会、英国学術振興協会のメンバーの科学的著作について次年度も続けて検討を行う。また今年度は特に、王立協会と密接につながった形で1804年に設立されたロンドン園芸協会(The Horticultural Society of London)の活動について大英図書館で文献調査した。当時植物や園芸をテーマに取り入れた文学的著述は多く出版されたが、同時にロンドン園芸協会の機関誌やその他の一般園芸雑誌の発行が始まっていた。園芸学や植物学が、独立した科学的学問領域として発展するのはヴィクトリア期を待たねばならないが、学問的成熟の遅行性が文学との親和性を保持する要件の一つと考えられ、この問題については次年度もさらに考察を行う。2)ロマン主義の時代における文学と科学を同じ精神の相の下に見る姿勢が、科学研究の制度化によって後退した点について、国際学会、International Colloquium 2010 : the Glory and Fall of Scientific Poetryで発表した。この発表内容については、しかるべき学会誌に発表する予定である。また上記に加えて、当時の医学界に起こったハンター論争の際に書かれた医師アバネシーの論文に登場する、'Surinam Toad'が、S. T.コールリッジが好んだメタファーであることを広く考察し、イギリスロマン派学会で口頭発表すると同時に論文として発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] コールリッジにおける'Surinam Toad'のメタファー2011

    • 著者名/発表者名
      石倉和佳
    • 雑誌名

      兵庫県立大学環境人間学部研究報告

      巻: 13号 ページ: 123-134

  • [学会発表] コールリッジと'Surinam Toad'のメタファー2010

    • 著者名/発表者名
      石倉和佳
    • 学会等名
      イギリスロマン派学会第36回全国大会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2010-10-10
  • [学会発表] The Romantic Vision of the Unity of Science and Poetry and the Institutionalization of Science in England2010

    • 著者名/発表者名
      Waka Ishikura
    • 学会等名
      International Colloquium 2010 : the Glory and Fall of Scientific Poetry
    • 発表場所
      モントリオールケベック国立図書館
    • 年月日
      2010-09-15

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公開日: 2012-07-19   更新日: 2014-01-14  

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