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2010 年度 実績報告書

Prose Brut写本とキャクストン版『イングランド年代記』との関係

研究課題

研究課題/領域番号 21520278
研究機関杏林大学

研究代表者

高木 眞佐子  杏林大学, 外国語学部, 准教授 (60348620)

キーワード英米文学 / incunabula / 写本 / 活版印刷 / William Caxton
研究概要

具体的内容:(1)ケンブリッジ図書館での調査から、HM136の所有者であるJohn LecheがWilliam Caxtonと関係の深い人物である可能性が判明した。
(2)英国の複数の図書館でHM136を含む合計8つのcontinuationを比較した結果、同様のcontinuationとは極めて違う性格を持っていることが明らかになった。HM136のそれは唯一系統発生としてよどみなくCaxton版につながる可能性を持っている。
(3)Brut写本の基本形とでもいうべきDouce323写本は成立年代が1333年でこの系統でもっとも古いとされているが「6人の王の予言」の記述はこの写本が少なくとも1400年以降に成立したことを示唆している。
意義と重要性:(1)と(2)はHM136がCaxton版の直接の底本であったことを濃厚に示唆している。Wakelin博士の2011年7月発行の論文と併せincunabulaの分野に重要な知見がもたらされることを確信している。
(3)はこれまでBrut写本を分類してきたやり方に疑問を呈するもので、20世紀最大のBrut写本研究家Lister Mathesonの研究方法そのものの見直しを迫るものである。しかし重大な疑義を呈するものではあるが、どのように見直すべきかという新たな知見を生み出す段階にはいっていない。そのためにはなぜDouce323の前半部に1400年以後でなければ知りえない情報が含まれているのかという理由について新たな仮説を立てる必要があり、そのためにはさらに大規模なBrut写本調査が必要になる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Research Note-2/4 : Study on the Prose Brut MSS in relation to WilliamCaxton's Chronicles of England (1480)2011

    • 著者名/発表者名
      高木眞佐子
    • 雑誌名

      杏林大学外国語学部紀要

      巻: 23 ページ: 79-95

    • 査読あり
  • [学会発表] シンポジウム「英国年代記と国家主義」の中の「「散文『ブルート』とマロリーの『アーサー王の死』(1485):党派抗争とマーリンの予言」2010

    • 著者名/発表者名
      高木眞佐子
    • 学会等名
      日本中世英語英文学会全国大会第26回大会
    • 発表場所
      大阪学院大学
    • 年月日
      2010-12-05

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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