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2012 年度 実績報告書

Prose Brut写本とキャクストン版『イングランド年代記』との関係

研究課題

研究課題/領域番号 21520278
研究機関杏林大学

研究代表者

高木 眞佐子  杏林大学, 外国語学部, 准教授 (60348620)

研究期間 (年度) 2009-04-01 – 2013-03-31
キーワード英文学 / 中世 / incunabula / 写本 / 活版印刷 / William Caxton / 年代記 / Prose Brut
研究概要

研究者は急逝したLister Mathesonの家族から、彼が死ぬまでBL Add 10099がCaxtonの印刷用原稿として機能したという仮説を保持していた情報を得た。つまり、Wakelinが2011年夏に提出した(Caxton版の印刷用原稿である可能性を濃厚に示す)HM 136上の証拠をMathesonはついに知らず、ゆえにFriedrich Brieが一世紀も前に立てた説に立脚し続けていたと判明したのである。
こうした背景から研究者は4月に中尾祐治を訪問し、HM136上の言語的特徴について示唆を受けた。幾つかの表現において、HM136の言語の方がCaxton版よりも古いとする証拠が見られた。その上で8月にロンドンの大英図書館を訪問、綿密な語の単位でHM136のテクストをCaxton版、そして10099と比較した。その結果、、研究者が2004年に違いを明らかにしてあった10099の書き出し部分の2丁は、テクスト部分でも違いがあると判明。すなわち、書き出しの2丁が基にした原稿はCaxton版よりも前の写本で、MS Douce 323に近いテクストだが、HM136とは直接の関係はない。これは副次的に、ぶれの大きい10099のテクストにおいて、3丁以降がCaxton版に基づいているというこれまでの研究を際立たせる結果ともなった。
研究者は上記について、12月中世英語英文学会で発表を行った。HM136がCaxton版の印刷原稿で、10099がお手本とする原稿を途中で差し替えた写本という事実もさりながら、10099はCaxton以前の写本であるというBrieの定説を覆した点は重要である。権威あるEETSの一冊として百年も君臨してきたProse Brut研究におけるひとつの前提が覆ったからだ。この内容はArturianaの論文にも盛り込み、海外の研究者への結果提示も行っている。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Research Note-4/4: Study on the Prose Brut MSS in relation to William Caxton's Chronicles of England (1480)2013

    • 著者名/発表者名
      Masako Takagi
    • 雑誌名

      Kyorin University Review

      巻: 25 ページ: 139-218

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Caxton's Exemplar and a Copy from Caxton's Edition of the Chronicles of England: MS HM136 and BL Additional 100992012

    • 著者名/発表者名
      Masako Takagi
    • 雑誌名

      Arthuriana

      巻: 22.4 ページ: 120-139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Caxton's Revision of Le Morte Darthur: The Tudor Propaganda and Self-Filling Political Prophecy2012

    • 著者名/発表者名
      Masako Takagi
    • 雑誌名

      Poetica

      巻: 77 ページ: 61-77

    • 査読あり
  • [学会発表] キャクストンが使用した英語エグゼンプラー発見の意味―Prose Brut写本とChronicles of England (1480)2012

    • 著者名/発表者名
      高木眞佐子
    • 学会等名
      日本中世英語英文学会 第28回全国大会
    • 発表場所
      広島大学東広島キャンパス
    • 年月日
      20121201-20121202
  • [備考] 教員紹介 高木眞佐子

    • URL

      http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/foreign/student/teacher/detail_2.php?id=for20004

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公開日: 2014-07-24  

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