<環境正義>の概念は、自然の生態系を守ることと社会的正義の同時追及の必要性を示す概念として注目されている。この概念をカナダ先住民の口承文学に探り、一見荒唐無稽に思える彼等の神話が、社会学的、科学的整合性を理解した「先を見越した」ものであったかを考察。さらに、環境破壊が増す一方の今日において、大地との共生、自然界に対する正義を優先する先住民の知恵が現代のカナダ先住民作家やマーガレット・アトウッドのようなカナダ人作家にどのように継承されているかを考察した。この概念を用いて文学作品分析を行う研究は.なく、今後活用されよう。
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