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2011 年度 実績報告書

グレアム・グリーンのメディア表象―投書と映画

研究課題

研究課題/領域番号 21520305
研究機関四国大学

研究代表者

阿部 曜子  四国大学, 文学部, 教授 (60294732)

キーワードグレアム・グリーン / メディア表象 / 投書 / 映画
研究概要

本研究は、グレアム・グリーンの様々なメディアにおける表象を分析し、グリーンとメディアの関係を考察するものであるが、当該年度は、映画に焦点を絞った。映画化を前提として書かれた小説The Third Man(1949)や、1930年代後半を中心にグリーンが書いた400編以上の映画批評や映画論を手がかりに、グリーンの映像表象の在り方を探った。具体的には以下のようなことについて検証した。
1.グリーンがThe Spectatorに寄せた映画批評の分析・検証
グリーンによる批評の特質はどのようなものか。また散見される反米主義はどのようなものであり、それは何に由来するかを考える。また彼の映画論や映画批評の一部をなす、ある種のメタ構造(「映画を語ること」についての自己言及)から見えてくるものについて考察する。
2.The Third Manの再読
まず序文を精読することにより、グリーンが、小説とメディアという異なるメディアの変換におけるダイナミズムを実践しようとしていたことについて考える。
3.映画の政治性、及びグリーンの政治性についての考察
Brian Lindsay ThomsonのGraham Greene and the Politics of Popular Fiction and Film(2009)の知見を参考にして、グリーンが大衆文化としての映画が潜在的に持つ力や、そのポリティカルな側面にいち早く気づいていたポリティカルな作家であることを示していく。
以上のような側面から検証したものを論文としてまとめ、1930年代の政治の時代のヨーロッパにおいて、あるいは第二次世界大戦後の混沌の世界情勢の中で、グリーンが映像メディアである映画を戦略的に捉え、用いていたことを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] グレアム・グリーン、映画という戦略2011

    • 著者名/発表者名
      阿部曜子
    • 雑誌名

      言語文化

      巻: 第9号 ページ: 1-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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