研究課題/領域番号 |
21520314
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 歓 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (60218310)
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研究分担者 |
中地 義和 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50188942)
塚本 昌則 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (90242081)
マリアンヌ シモン=及川 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (70447457)
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キーワード | フランス文学 / フランス映画 / 映画論 / シュルレアリスム / ヌーヴォーロマン / 現代小説 / 映画史 / 文芸映画 |
研究概要 |
フランス文学と映画を結ぶダイナミックな相互関係を、双方向的に捉えようとする本研究を軌道に乗せる上で、21年度の重要課題として考えられたのは(1)関連資料の収集、(2)各研究分担者による具体的事例の分析の開始、そして(3)国際的・学際的な研究ネットワークの形成の三点であった。 (1)に関しては、ジャン・ルノワール、ロベール・ブレッソン、エリック・ロメールという最重要監督たちの作品を網羅的に集めるかたわら、研究書類の収集も心がけ、研究の基盤を築くことができた。 (2)に関しては、野崎はモーパッサン原作によるルノワールの映画『ピクニック』の分析を試みる一方、ブレッソン研究のためのシンポジウム(22年度開催予定)に向けて、塚本と共同で検討を重ねた。また中地の主催によって開かれ、多くの熱心な聴衆を集めたル・クレジオ講演会(21年11月29日)において、作家本人の口から日本映画、とりわけ溝口健二の作品が彼にとっていかに決定的な「発見」であったかを詳しく聞くことができた。10月に来日した作家・映画監督フィリップ・クローデルにインタビューする機会を得たことと併せ、フランス現代小説と映画の深い絆を間近に知るきわめて貴重な体験となった。 (3)に関しては、ダドリー・アンドリュー(イェール大学)、ジャン=クロード・ボネ(CNRS)、クレリア・ゼルニック(早稲田大学外国人研究員)、黄淑嫺(香港嶺南大学)といった専門家たちと活発に交流し、意見を交換することにより、映画研究と文学研究をクロスさせて展開させるための大きな刺激とヒントを与えられた。 以上は本年の成果の一部であり、第一年目の課題に正面から取り組むことで、満足のいく結果を残すことができたと自負する次第である。
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