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2009 年度 実績報告書

バルザック『セザール・ビロトー』の生成論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520320
研究機関名古屋大学

研究代表者

鎌田 隆行  名古屋大学, 文学研究科, 講師 (30436985)

キーワードバルザック / フランス文学 / 十九世紀小説 / 生成論
研究概要

1.バルザック『セザール・ビロトー』およびこれと緊密な関係を持つ同時期の作品について関連書籍や資料を参照し、テクスト成立のクロノロジカルな諸段階やまたとりわけ当時の受容の状況について情報の整理を行なった。また、生成論全般についての資料収集を行い、最新の調査方法論の進展を確認した。
2.フランス学士院図書館ロヴァンジュール文庫で『セザール・ビロトー』の作品生成資料を参照した。同資料体に関するプレイヤード版の記述には何点か不正確な箇所があったため、これらについて再調査して正しい情報を整理するとともに、特に同作品内の二つの架空の広告文の成立について草稿および校正刷りの諸段階を整理し、関連箇所を転写する作業を行なった。
3.2の調査記録をもとに同作品の生成過程の分析を行ない、研究ノートを作成し、また論文の準備を進めた。特に同作品の執筆中に途中で導入されたジャーナリストの登場人物フィノが『ニュシンゲン銀行』と『しびれえい』での再登場を経て『幻滅』第二部での新聞業界の黒幕の一人として準備されていく過程の解明を進めた。
4.フランス・メーヌ大学で行なわれた国際シンポジウム「作家と印刷業者」に参加して同作品の生成過程についての論考を発表した。この作品の成立において架空の広告文の導入が重要な役割を果たしており、バルザックが執筆途上でこれを着想したこと、また印刷業の経験のある作者が数次の校正段階を経て美学的な印刷技法をこらした広告文の作成を実現したことを原資料にもとづいて提示し、シンポジウム参加者の文学研究者や書物史の専門家たちとの意見交換を行なった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Notes sur l'autodefinition de la critique genetique : problemes de contraintes methodologiques2009

    • 著者名/発表者名
      鎌田隆行
    • 雑誌名

      HERSETEC. Journal of Hermeneutic Study and Education of Textual Configuration Vol. 3 No. 1

      ページ: 99-105

  • [学会発表] Fonctionnement de la technique des epreuves chez Honore de Balzac2009

    • 著者名/発表者名
      鎌田隆行
    • 学会等名
      Colloque 《L'ecrivain et l'imprimeur》
    • 発表場所
      メーヌ大学(フランス)
    • 年月日
      2009-10-09
  • [学会発表] バルザックの生成論的研究-問題点と展望2009

    • 著者名/発表者名
      鎌田隆行
    • 学会等名
      日本フランス語フランス文学会中部支部大会
    • 発表場所
      愛知大学
    • 年月日
      2009-09-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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