研究課題
1.バルザック『セザール・ビロトー』およびこれと緊密な関係を持つ同時期の作品について関連書籍や資料を広く参照し、テクスト成立のクロノロジカルな諸段階やまたとりわけ当時の受容の状況について情報の整理を行なった。また、生成論全般についての資料収集を行い、最新の調査方法論の進展を確認した。2.フランス学士院図書館ロヴァンジュール文庫で『セザール・ビロトー』の作品生成資料を参照し、草稿および校正刷りの諸段階を整理し、関連箇所を転写する作業を行なった。またこの作品と関係の深い『ニュシンゲン銀行』の調査にも着手し、同じく生成資料の整理と重要箇所の転写を行なった。3.2の調査記録をもとに同作品の生成過程の分析を行ない、研究ノートを作成し、また論文の準備を進めた。特に同作品と同時期に制作された『ニュシンゲン銀行』との関係についての分析を進め、『セザール・ビロトー』にも登場するニュシンゲン男爵の会話の表象の生成論的な分析と比較を行ない、『ニュシンゲン銀行』よりもむしろ『セザール・ビロトー』の制作段階においてこの人物の特徴的なアルザス訂ヒりの口跡が確立していったことを明らかにした。4.フランスの近代草稿研究院(ITEM)の主催による「セミネール・バルザック」に、コーディネーターでバルザック生成論研究の重鎮ステファンヌ・ヴァッション氏の招きに応じて講演者として参加し、『セザール・ビロトー』の広告文の生成過程に関する講演を行い、質疑応答や関係の専門家たちとの意見交換を行なった。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Eric Bordas, Jacques-David Ebguy et Nicole Mozet (dir.), les actes du colloque<<Un materialisme balzacien ? >>, Groupe International de Recherches Balzaciennes, 2011 (電子出版:備考欄にURLを記載)
巻: 無し
日本フランス語フランス文学会中部支部『研究報告集』
巻: 第34号 ページ: 33-52
Alain Riffaud (dir.), L'Ecrivain et l'imprimeur, Presses Universitaires de Rennes
巻: 無し ページ: 279-291
Kazuhiro Matsuzawa et Gisele Seginger (dir.), La Mise en texte des savoirs, Presses Universitaires de Strasbourg
巻: 無し ページ: 19-29
http://balzac.cerilac.univ-paris-diderot.fr/materialisme.html