研究課題
本研究は、フランスの作家プルーストが、その生涯においてどのような芸術をいかに受容していたかを網羅的に調査するとともに、受容された芸術が代表作『失われた時を求めて』にどのように取り込まれ、それが作中でどのような機能を果たしているかを総合的に解明するため、固有名詞調査に基づく基礎的研究をまとめることを目的とする。平成21年度には、プルーストと接点を有する同時代の芸術がどのような状況にあったかを解明するため、『プルースト書簡集総合索引』をはじめプルーストの各種刊本の索引を活用しつつ、当時の展覧会、演奏会、公演プログラムをはじめ、絵画・音楽・建築・演劇・バレエ・装飾芸術、写真などの諸芸術に関する書物や論文などをリストアップした。そのうえで作家の芸術受容の実態を明らかにできる専門書、雑誌論文、当時のカタログやプログラムなどの一部を収集・分析した。『失われた時を求めて』と関連作品、『プルースト書簡集』、プルーストの伝記や個別研究などの文献をあらためて読み直し、絵画、音楽などの芸術作品を作家がどのように受容し、評価をしていたかを調査した。さらにフランスからプルーストの専門研究者(Anne Simon)を招聘し、研究課題につき討議し、助言を求めた。とくに調査の進んだ分野を中心に、研究発表の項目に記した成果をえた。プルーストと画家ベノッツォ・ゴッツォリ、およびジュヌヴィエーヴ・ブラバン伝説に関する口頭発表、プルーストと絵画に関するフランス語による総合的著作(Proust et l'art pictural)などである。
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Proust, la memoire et la litterature 1
ページ: 49-71
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/futsubun/profs.htm