研究概要 |
平成16~17年度の科学研究費補助金で受けた研究課題「フランスにおける初期活版印刷出版書籍商の出版戦略に関する研究」で作成したデータベースを基に、B.モローが編纂したInventaire chronologique des editons parisiennes du XVIe siecle (1501-1540まで刊行済み)、J. -C.ブリュネのManuel du libraire, et de l'amateur de livres、P. Renouardの一連の論考及びその他の書誌・カタログ、フランス国立図書館やその他の図書館のWEBサイトを参考にしてトレペレル家の構成員(Jean Ier Trapperel、その未亡人、彼らの息子Jean II Trepperel、娘婿のJ. JehannotとDenis Jehannot)が出版したと思われる活字本の特定を行った。特定された各版本に関しては、写真版として現在刊行されている版本とフランス国立図書館の文献画像サイトGallica、そしてその何れでも調査の困難なものをフランス国立図書館で披見し、各版本のパラテクストについて出版書籍商ごとに書誌データベース化した。 続いて、そのデータベースから同一の著者による作品を作成順に整理し、トレペレル家に関わる出版書籍商がどの作者の版本を出版したかを具体的な形でとらえることができた。 平成22年度はこれらのデータベースを基にして、トレペレル家各出版書籍商のパラテクストの諸特徴を分析し、バラテクスト継承の実際と同時にパラテクストの役割の変化を考察する。
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