研究課題
平成23年度は11月にフランスの演出家ブリジット・ジャーク=ヴァジュマン(Brigitte Jaques-Wajeman)と実施した演劇実践ワークショップが研究活動の中心となった。4月の研究会ではブランクールによる、コルテス作品におけるト書きとパラテクストの問題についての研究発表および全員での討論がなされた。コルテス作品における、実際のテクストには書かれているが上演されるときには現れない数多くの要素(たとえば、エピグラフなど)について意見が交わされた。7月の研究会では11月のワークショップに向けて佐伯が『ロベルト・ズッコ』について研究発表。11月7日から11月15日までのワークショップにおいてはコルテスの『ロベルト・ズッコ』のいくつかのシーンを佐伯訳の日本語台本を使用して日本人俳優に演技指導を行ない、11月16日には東京日仏学院の小講堂で発表会を行った。ワークショップ期間中、各研究員は可能なかぎり俳優指導の場に立ち会い、作品の解釈が実際の演出とどのように関わるかを研究した。マレ、大野、佐伯はフランス人演出家と日本人俳優たちの間の通訳もうることにより、戯曲の翻訳についての一般的な問題点およびコルテス作品の特殊性についても実践的研究を行なうことができた。11月12日(土)には研究員全員がワークショップを見学し、その後テクストとしての作品と上演との関係などについての研究会を行った。年度末に行われた最後の研究会においてはヴェドレンヌと大野が中心になり、フランス現代演劇におけるト書きの問題について討論が行われた。また、研究会のこれからの活動の中心となるであろうサイトについても検討がなされた。
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藝文研究
巻: No.101-2 ページ: 192-211
大阪大学大学院言語文化研究科『言語文化研究』
巻: 37号 ページ: 251-264
Revue japonaise de didactique du francais
巻: Volume 6, n.2 ページ: 94-96