• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

現代ドイツにおける集合的記憶の形成と文学の機能

研究課題

研究課題/領域番号 21520345
研究機関日本大学

研究代表者

初見 基  日本大学, 文理学部, 教授 (90198771)

キーワードヴァルター・ベンヤミン / 歴史の概念について / モーリス・アルヴァクス / 集合的記憶 / 死者の記憶 / 戦後思想 / 警告碑 / 戦後ドイツ
研究概要

本年度は,2010年にヴァルター・ベンヤミン新全集の一巻として刊行された彼の遺稿「歴史の概念について(Uber den Begriff der Geschichte)」の再検討を第一の課題として,さまざまな異稿や草稿を含めて精読し,このテクストのベンヤミンの思想のなかでの位置づけを改めて確認するとともに,さらにそれを越えて,「第一次世界大戦後」という両大戦問期の思想に広く見いだされる特性を帯びたもののひとつとして確定する作業を進めた。つまりこれは,「死者の記憶」という言い回しによって敷衍できるものであって,その限りで第二次世界大戦後の思想の課題ともおおきく重なり合うものである。この見通しをさらに日本における「戦後」のディスクールに関連させた論文をすでにまとめてあるが,目下のところ投稿した雑誌は未刊行である。(掲載は決定されている。)
それと同時に,前年までに引き続き,モーリス・アルヴァクスの「記憶」論を詳細に読解する作業を進めている。これは「集合的記憶」概念の成立を追うという概念史的な関心に由るものではなく,ベンヤミンの場合と同様に「第一次世界大戦後」の思想をより包括的に検討してゆくための準備作業になる。そしてそのなかで,彼の「集合的記憶」概念も,「死者の記憶」という観点から検討してゆくことになる。
また,これも継続されている「警告碑(Mahnmal)」についての検討は,資料の収集にとどまり,より具体的な作業を押し進めるまでにはいたっていない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 書評関口裕昭著『パウル・ツェランとユダヤの傷-《間テクスト性》研究』2012

    • 著者名/発表者名
      初見基
    • 雑誌名

      オーストリア文学

      巻: 28 ページ: 43-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 書評:エルンスト・ユンガー(山本尤訳)『パリ日記』2011

    • 著者名/発表者名
      初見基
    • 雑誌名

      週刊読書人

      巻: 2907 ページ: 5-5

  • [雑誌論文] 書評:西角純志『移動する理論-ルカーチの思想』2011

    • 著者名/発表者名
      初見基
    • 雑誌名

      図書新聞

      巻: 3030 ページ: 3-3

  • [学会発表] Die grossere Hoffnung2011

    • 著者名/発表者名
      Motoi Hatsumi
    • 学会等名
      Sterbensarten der/in der osterreichischen Literatur
    • 発表場所
      日本大学文理学部え
    • 年月日
      2011-11-04

URL: 

公開日: 2013-06-26   更新日: 2014-10-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi