研究課題/領域番号 |
21520346
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
梨本 邦直 法政大学, 工学部, 教授 (30340748)
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研究分担者 |
池田 寛子 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (90336917)
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キーワード | アイルランドの民間伝承 / アイルランド語現代詩 / 秘密結社 / 土地問題 / 韻律論 / 文法 / アシュリング / ヌーラ・ニゴーノル |
研究概要 |
1ブライアン・メリマンの18世紀末の詩『真夜中の法廷』について、昨年度のアイルランド・コーク大学教授リーァム・P・オムルフー氏によるセミナーの成果を基に第二回目の分析・解釈を4回の研究会で、延べ8日間にわたって行った。その全1026行中467行目まで進めた。 2『真夜中の法廷』のテクスト検索と分析を容易にするため、アイルランド語の各語の文法的役割を明示し、対応する英語と日本語を載せた索引の作成に取り掛かった。 3アイルランド語で書かれた童話を翻訳し、出版した。日本では、アイルランド語で書かれた童話の翻訳・出版は、初めてである。それと同時にJ.C.マンガンの翻訳詩「オハッシーに捧げるオード」の研究も進めた。 4アイルランド語詩歌の韻律に関する研究を進めるかたわら、アイルランド語講座を開催した。この講座は日本アイルランド協会を通じて一般に告知し研究成果を還元する目的で行った。 5ヨーロッパ全体を視野に入れ、アイルランド語文献も参照しつつアイルランドの人魚伝説の歴史を辿り、「人魚をめぐる試論-人との境界のゆくえ」として『ヌーラ・ニゴーノル詩集』の巻末に添えた。 6『アイルランド・ケルト文化を学ぶ人のために』の中で大飢饉と移民のテーマについて書いた。そのテーマは同時代のアイルランド語世界の状況や民族主義運動ヤング・アイルランドの蹉跌と深く関係する。20世紀の政治文化とも不可分で、今後のためによい下地を得た。
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