研究概要 |
ベルリン州古文書館において、1945年から1955年までのヴァリエテ興行及び映画興行に関する資料を収集・分析した。ソビエト占領地区と米・仏・英占領地区における興行認可の実態の違い、及びその背後にある文化政策をめぐる議論・決定プロセスについて一次資料に基づく詳細な分析を行い、将来の書籍刊行時の第1章・2章を完成させた。 同ベルリン州古文書館において、Deutsches Theater、Berliner Ensemble,Schiller Theater等の関連資料を収集・分析し、1945年から1955年までの芸術性の高い劇場に関する文化政策上の議論・決定過程、さらにそれに対応する各劇場の興行実態について明らかにした。 ベルリンのStadtarchivにおいて、戦後の都市ベルリンの展開に関する、歴史学・社会学・地理学にわたる文献を収集した。また、同古文書館が刊行した戦後ベルリンの劇場史に関する4巻本の編集に使われた資料について、同編集に携わった専門家から説明を受けた。 以上の成果に基づいて、1945年から1955年までの劇場立地に関する地図の作成に着手した。 東京については、特に1960年前後のブレヒト受容に焦点を絞って、そこに至る戦後の過程を分析し、その成果を研究者も編者に加わっている著書"Metropolentheater: Berlin― Seoul ―Tokio. Studien zur urbanen Kulturentwicklung nach 1945"に発表する。編者は研究者以外にバンベルク大学教授Iris Hermann、元ジ-ゲン大学学長 Ralf Schnell、韓国同徳女子大学教授 Hi-Young Songである。同書はバンベルク大学刊行物のシリーズのなかで出版される。
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