• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

20世紀科学イメージの表象分析-現代社会の神話としての科学表象

研究課題

研究課題/領域番号 21520350
研究機関早稲田大学

研究代表者

原 克  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40156477)

キーワード身体表象 / 機械と身体 / 境界侵犯 / 科学表象 / ポピュラー系科学雑誌 / 情報処理機械 / サラリーマンの身体性 / サイボーグ的身体表象
研究概要

「研究の目的」に挙げた問題設定の枠組みに従い「流線形デザイン」という主題から、「障害因子一般を排除する方途」という表象の拡大を見た。その中で明らかになった「優生学」(「障害因子一般を排除する方途」の「理念的背景」)という概念装置に力点を置いて、20世紀市民生活の全般にわたる領域について、その影響関係を明らかにした。
要点は二つである。
その一。こうした20世紀固有の機械と身体の相互関係の中から、それまであった有機体的一体論としての身体表象が、「部品」の集合体という身体表象に解体・再編成されてゆく。その際、理念的・哲学的議論にも増して、機械と身体の直接的接触体験からくる表象体系の方が影響力を発揮した。とりわけ、本来、機械が固有に内包している「限定的目的のための限定的機能性」というものが、従来の身体表象がもっていた「全体性」イメージを解体してゆくのを促進した。
その二。しかも、そうした部品化という身体表象の再編成は、体外から体内への人為的手立てとして実現する。結果、体表および体表感覚が「境界侵犯」されることになる。ここにこそ、後年サイボーグ的身体表象と呼ばれるものの表象的基盤が誕生した原点がある。
以上の分析に関しては、下記に示すとおり単著『気分はサイボーグ』(角川学芸出版)『身体補完計画』(青土社)として刊行し公表した。
更に上記の分析を基盤にして、「効率化」「合理化」という概念装置が、身体表象の分野から水平移動し「情報処理機器と身体性」という隣接分野にも起動してくる様を分析した。その結果は下記に示すとおり単著『サラリーマン誕生物語』(講談社)として刊行し公表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 書評に応えて 身体表現か科学表象か2011

    • 著者名/発表者名
      原克
    • 雑誌名

      スポーツ社会学研究

      巻: 第19巻第1号 ページ: 117-120

  • [学会発表] 20世紀科学表象の世界2011

    • 著者名/発表者名
      原克
    • 学会等名
      科学言説研究プロジェクト第8回公開研究会
    • 発表場所
      工学院大学新宿校舎(招待講演)
    • 年月日
      2011-02-27
  • [図書] サラリーマン誕生物語 二〇世紀モダンライフの表象文化論2011

    • 著者名/発表者名
      原克
    • 総ページ数
      334
    • 出版者
      講談社
  • [図書] 気分はサイボーグ 2922010

    • 著者名/発表者名
      原克
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      角川学芸出版社
  • [図書] 身体補完計画 すべてはあサイボーグになる2010

    • 著者名/発表者名
      原克
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      青土社

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi