関連資料の調査を続行する一方,入手済み資料と書誌データ管理の改善を行った。 資料調査の一部はフランスにて行った。専門書や研究論文とは異なり,1910年から30年代の批評記事,しかも現在ではあまり読まれないプルーストの同時代人に関する記事を発見することは,かなり困難な作業である。しかし現地調査の結果,当時プルーストと関連づけられることの多かったジョージ・メレディス,あるいは文芸批評家としてプルースト作品の批評も行った作家兼文芸批評家,ガストン・ド・パブロフスキーなどに関する記事を特定し,当時の彼らの位置づけを知ることができた。 入手済み資料を整理し,その利便性を高めることは本年度の課題の一つであった。これまでに蓄積した資料の書誌データ管理,出力方法を改善するため,昨年度打ち合わせを行った業者にデータ変換・出力プログラムの作成を依頼し,修正作業を経て実用に耐えるものを完成させた。EndNote等,他の市販ソフトウェアで作成したデータをXML形式に変換したのち,このプログラムで処理することによって,こちらが指定した記述形式で出力することが可能になった。個々のデータの記述だけでなく,このプログラムによって,ファイルに含まれる資料全体の著者別,雑誌名別インデックスを作成することもできる。出版の際などにも極めて有用な機能である。 2012年11月にはパリ大3大学プルースト研究所主催の研究会にて研究成果の一部を口頭発表した。
|