研究概要 |
マルセル・プルースト作『失われた時を求めて』第一篇は1913年に発刊された。当初は大きな反響を呼ばず,続巻もしばしば厳しい批判を受けたこの作品は,しかしながら1930年代にはその評価が確立したと言って良い。本研究は,この変化の最大の要因と考えられる当時の文芸批評の傾向のいくつかを,1913年から1939年の間に発表されたプルーストに関する新聞・雑誌記事,ならびに他の作家の作品との関連性を分析することによって明らかにしたものである。また,基礎資料として記事,図書1,870点を収集・整理するとともに,文献データ管理のシステム作りを行った。
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