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2010 年度 実績報告書

デカルトにおける説得と論証およびその人文主義的起源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520358
研究機関追手門学院大学

研究代表者

武田 裕紀  追手門学院大学, 国際教養学部, 准教授 (50351721)

キーワードデカルト / 比較 / 論証 / 光学 / ラムス主義
研究概要

デカルトは、三段論法のようなスコラ的論証に代えて、明晰判明な観念から出発する厳格な演繹体系を提示しかつ実践したと一般的に考えられていて、このことは概観的には誤りではない。しかし、デカルトの『屈折光学』はそのような公理的記述を取っておらず、3つの「比較comparaison」を通して光のさまざまな特性を読者に提示し、そのように示された特性によって、光学のあれこれの問題を解決していくという構成を取っている。このような『屈折光学』の論証構造は、デカルト自身の言う演繹構造とかけ離れているため、当時から批判の対象であったし、現在もなお、研究者の関心を引く重要な研究対象である。本年度は、アリストテレス主義者であるモランとの論争を手がかりに、デカルトにとっての自然学における論証のあり方を検討した。このことによって、スコラ的な類と種差による論証によっても、また幾何学的な公理体系によっても、自然学上の課題はうまく論証できないことにデカルト自身きわめて自覚的であったこと、そしてこの「比較」という方法が、それが量的なものに留まるかぎりで、自然学において有効であるとデカルトが考えていることを明らかにした。なお、この「比較」の起源については、論証の学が非常に錯綜していた17世紀において特定するのは困難であるが、一つの可能性としてラムス主義からの影響を排除できないことを示した。以上の研究成果は、国際コロックにてフランス語で口頭発表された後、フランス語の原稿で公表された。また夏期にパリに滞在し、フランス国会図書館にて資料調査を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] La definition de la lumiere chez Descartes-a l'eclairage de la correspondance avec Morin-2011

    • 著者名/発表者名
      TAKEDA Hiroki
    • 雑誌名

      GALLIA

      巻: 50 ページ: 3-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Le probleme de la chute des graves chez Descartes : entre mathematique, physique et metaphysique2010

    • 著者名/発表者名
      TAKEDA Hiroki
    • 雑誌名

      XVIIe siecle

      巻: 248 ページ: 443-456

    • 査読あり
  • [学会発表] 光学をめぐるデカルトとスコラの論争2010

    • 著者名/発表者名
      武田裕紀
    • 学会等名
      第14回科学史学会西日本研究大会
    • 発表場所
      龍谷大学深草学舎
    • 年月日
      2010-12-11
  • [学会発表] La definition de la lumiere chez Descartes-a l'eclairage de la correspondance avec Morin-2010

    • 著者名/発表者名
      TAKEDA Hiroki
    • 学会等名
      Journee d'etudes dix-septiemistes francaises au Japon
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2010-11-03

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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