1.ネルヴァルの諸作品と『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』(『ポリフィルの夢』)の原典・フランス語訳との比較検討作業を継続して行った。ネルヴァルは作品内で原典を言及しているが、フランス語訳から影響を受けていることを実証した。2010年8月にソウル・中央大学校で開催された第19回国際比較文学会で研究発表を行った。学会終了後に論文にまとめ、学会事務局に送付した。 2.アタナシウス・キルヒャーの『地下世界』の電子テキストを入手し、収録されている「地球の内奥」「ヴェスヴィオス山」「エトナ山」の図版とネルヴァルの作品を比較検討した結果、ネルヴァルが『地下世界』から影響を受けた可能性があるという結論に達した。研究成果を本務校の紀要に発表した。 3.画家セレスタン・ナントゥイユとネルヴァルとの関係を調査した。ネルヴァルの作品及び人生に関わるナントゥイユの版画を分析した。またアリスチッド・マリの伝記に掲載されている版画も分析した。
|