本課題研究の最終年度である本年度は、研究成果の発表と、次の研究課題につながるプロジェクトの形成に力を注いだ。 研究課題①「非西洋地域の近代化とエクゾティシズム」について」:日本の近代化とエクゾティシズムの関係を考察した論文を台湾の雑誌に投稿、掲載することによって、近代化とエクゾティシズム、という問題における東アジアの共通性、という問題を提起した。また、ヨーロッパの研究者とこの問題について協議するために、2013年9月にブカレストで行われた欧州日本研究集会では、「埃及への道―明治文学における異国趣味をめぐって―」という題目での研究発表を、2014年3月にベルリン自由大学で行われたワークショップにおいては、“Modernization and the Transformation of Cultural Memory: Representations of Mermaids in Meiji Literature and European Fin-de-Siecle Art”という研究発表を行った。 研究課題②「エキゾティックな他者」とジェンダー・セクシュアリティーについて:これまで扱ってきた少女マンガにおける「エキゾティックな他者」とジェンダー・セクシュアリティーの問題を引き続き考察し、成果発表を行った。7月にパリ大学で開催された国際比較文学会大会パネルでの研究発表“Girls and the Bande Dessinee: Jenny’s Pink Diary and European Shojo Manga in the 2000s’”は、世界各国から集まったパネリストの活発な議論を呼び、この問題を来年度以降の研究課題の一部にすることに意義を見出すものとなった。また、大妻女子大学比較文化学会の第15回総会で、招待講演「翻案と日本文化―少女マンガを例として―」を行った。
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