研究課題
本研究は、「満洲国」で発行された主な新聞の文芸欄について、その全体的な状況を把握し、基礎的な事実を解明することを目指しています。具体的に、各主要新聞の文芸欄について、刊行の時期や期間、特色や傾向、編者及びコラムの担当者、執筆者、掲載された作品と作者、読者層との関係や反応などの基礎的な情報やデーターに関して、調査することによって明らかにするとともに、「満洲国」の文学における新聞文芸欄のはたした役割や意義について究明しようとするものです。本年度は複数回にわたり、日中両国の図書館や資料館、研究機関を訪ね、上記資料の調査収集作業を中心に研究を進めてきました。具体的な調査対象や作業の進行状況について次のように整理できます。1) 中国国家図書館・文献縮微中心(マイクロフィルムセンター)や中国東北部の大学や図書館で閲覧・複写・購入した文献資料(一部):国際協報、黒龍江民報、泰東日報、大同報、満洲日報、濱江日報、ほか。2) 日本の研究機関で閲覧・複写した文献資料:盛京時報、満洲旧日新聞、満洲報、ほか。3) 上記の基礎作業と同時進行で、新聞別に文芸欄の記事をデータベース化する作業を進めています。将来的に資料集にまとめ、公刊を目指します。また、各文芸欄の内容を少しずつ読み進め、分析や考察を加えながら、解題や論考の執筆作業にも取りかかってきました。4) 引きつづき世話人として関わっている研究組織「満洲国」文学研究会の運営に携わり、昨年度は二回の研究発表会や数回の懇談会・読書会を開催してきました。このような研究交流の場を通じて、国内外の関連分野の研究者や研究組織との交流を深めながら、研究成果の一部を公表してきました。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)
植民地文化研究 第8号
ページ: 78-89
中国残留日本人という経験 「満洲」と日本を問い続けて(勉誠出版)
ページ: 第10章(353-369)、第17章(528-544)
http://members.at.infoseek.co.jp/qiaoben/mbk/
http://nihongo.human.metro-u.ac.jp/~ohkubo/