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2011 年度 実績報告書

「四大奇書」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520381
研究機関京都府立大学

研究代表者

小松 謙  京都府立大学, 文学部, 教授 (00195843)

キーワード四大奇書 / 三国志演義 / 水滸伝 / 清朝宮廷演劇 / 平妖伝 / 元雑劇 / 貶夜郎
研究概要

二年目から開始した演劇と「四大奇書」の関係という課題に関する研究を更に展開させ、『三国志演義』の内容を題材として扱った演劇の集大成ともいうべき清朝宮廷大戯『鼎峙春秋』に関する考察を進め、論文「清朝宮廷大戯『鼎峙春秋』について-清朝宮廷における三国志劇-」を『中国文学報』に発表した。同論文においては、同劇の内容と成立過程及びその宮廷演劇としての性格を詳しく分析すると同時に、そこで題材として利用されている明代の戯曲の素性を明らかにし、今では失われた戯曲の内容をある程度再構成することを試み、演劇の世界における三国志物語の展開をかなりの程度まで明らかにした。これにあわせて、戯曲の内容の検討から明らかになる三国志物語の形成過程についても考察を進め、中国古典小説研究会関西例会において「演劇と小説の関係について」と題して発表、これをまとめた論文「演劇から見た『三国志演義』」がすでに完成済みで、24年度に発表の予定である。
またこれにあわせて、「四大奇書」には含まれないものの、長篇白話小説としてやはり重要な位置を占める『平妖伝』についても、この作品を題材とする清朝宮廷大戯『如意宝冊』について研究を進め、論文「清朝宮廷大戯『如意宝冊』について」を『和漢語文研究』に発表した。
更に、演劇テキストの性格について考察を進めるため、中国最古の印刷された演劇テキストである『元刊雑劇三十種』に対する研究をも進め、赤松紀彦ほかとの共著になる書籍『元刊雑劇の研究(二)貶夜郎・介子推』を汲古書院から刊行した。同書は、『元刊雑劇三十種』のうち二種について、その内容を詳しく論じた解説と校勘記、及び非常に詳細な注と全文の日本語訳を付したものでである。研究代表者は、「貶夜郎」の解説とその全文の訳注作成を担当した。これは全書のおよそ三分の二に当たる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 清朝宮廷大戯『鼎峙春秋』について-清朝宮廷における三国志劇-2011

    • 著者名/発表者名
      小松謙
    • 雑誌名

      中国文学報

      巻: 81 ページ: 58-129

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 清朝宮廷大戯『如意宝冊』について2011

    • 著者名/発表者名
      小松謙
    • 雑誌名

      和漢語文研究

      ページ: 104-130

    • 査読あり
  • [学会発表] 小説と演劇の関係について2012

    • 著者名/発表者名
      小松謙
    • 学会等名
      古典小説研究会関西例会
    • 発表場所
      キャンパスプラザ京都
    • 年月日
      2012-02-11
  • [図書] 元刊雑劇の研究(二)貶夜郎・介子推2011

    • 著者名/発表者名
      赤松紀彦・金文京・小松謙・佐藤晴彦・菊春生・高橋繁樹・高橋文治・竹内誠・土屋育子・松浦恒雄
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      汲古書院

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公開日: 2013-06-26  

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