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2011 年度 実績報告書

白朗研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520382
研究機関日本女子大学

研究代表者

平石 淑子  日本女子大学, 文学部, 教授 (90307132)

キーワード東北流亡作家 / 女性作家 / 中国近現代文学 / 満洲国 / 抗日活動 / 中国共産党地下活動 / 中国共産党満洲省委 / ジェンダー
研究概要

平成21年度は白朗に関する資料収集、資料整理と平行して彼女の初期文学活動に関する研究を進め、平成22年度は更に白朗の中期文学活動(抗戦期)に関する研究を行い、小論を作成した。
当初は、これらの研究に続き白朗の後期活動について明らかにし、更に視野を中国近現代文学全体に広げる計画であったが、党員作家として活躍し、海外で開催された国際婦女連合会などにも参加した白朗が、反右派闘争や文化大革命においてなぜ、またどのように批判されたのか、その事が理由で心を病み、筆を折るに到ったと言われているが、彼女の中でどのような葛藤があったのかを知るためには、彼女の政治的背景や思想について更に深く知る必要があると感じた。そのため、平成23年度はまず白朗の作家としての活動の礎を形作った、哈爾浜時代の中国共産党地下党の文芸政策と文芸との関係から改めて考察を行った。資料と情報の収集のため、2011年5月末に哈爾濱で行われた蕭紅生誕百周年記念行事に合わせて中国を訪問し、中国の多くの研究者と交流し、また図書館などで資料を収集した。更にソウルを訪問し、白朗が国際婦女連合会の調査員として従軍した朝鮮戦争に関して知識を深めることができた。
また中国近現代文学において比較的早期に誕生した女性作家白朗の文化的背景を知るため、同時代の中国の女性たちがどのような立場に置かれていたかについても平行して考察を進めた。白朗の出身地藩陽で発行されていた《東三省民報》の記事を手がかりとして考察を試みたが、中国の女性史に関しては、これまで南方を中心に研究が行われ多くの研究成果があるものの、中国東北部に関してはほとんど手つかずと言ってよい。今後更に研究が必要な分野と言うことができる。
既に記したように、白朗を通じて中国近現代文学にアプローチするという当初の大きな目標は達し得たとは言えないが、その目標に到るための足固めはできたと自負しており、また白朗に関してのまとまった研究としても、中国東北部の女性研究としてもこれまでにない成果を上げることができたと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 作家戦地訪問団について2012

    • 著者名/発表者名
      平石淑子
    • 雑誌名

      鴨台史学

      巻: 11(掲載予定)

  • [雑誌論文] 「大同報・夜哨」と東北作家-李文光「路」を中心に2011

    • 著者名/発表者名
      平石淑子
    • 雑誌名

      お茶の水女子大学中国文学会報

      巻: 30 ページ: 99-114

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 《東三省民報》副刊《家庭》について2011

    • 著者名/発表者名
      平召淑子
    • 雑誌名

      宇高良哲先生古希記念論文集

      巻: (掲載予定)

  • [学会発表] 蕭軍・蕭紅と大連2011

    • 著者名/発表者名
      平石淑子
    • 学会等名
      「満洲国」文学研究会
    • 発表場所
      日本女子大学
    • 年月日
      2011-12-17

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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