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2009 年度 実績報告書

動的なパースペクトの組織化に関わる言語形式と文脈パラミターに関する意味論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520403
研究機関神戸大学

研究代表者

山森 良枝 (松井 良枝)  神戸大学, 留学生センター, 准教授 (70252814)

キーワードパースペクト・シフト / テンス / 括弧 / 内包的関数 / 時間的変項 / 自由間接話法
研究概要

本研究が追求するのは、1つの文や発話の中でのパースペクトの混在を知らせ、知るための言語的方略の実態とその背後にある仕組みを明らかにすることである。
そのために、今年度はまず該当するデータの収集と分析に努めた(設備備品費等)。同時に、研究費の交付以前から追及してきたパースペクト・シフターとしての括弧について、括弧を括弧付けられる要素の著者、および、それが評価される特定の(可能)世界を出力として与える一種の内包的関数として捉えることにより、データで観察された括弧の引き起こすパースペクト・シフトの多様性をうまく説明できることを明らかにした。この研究成果は、International Conference on Generative Lexicon(2009年9月)において口頭発表された(旅費)。
また、テンスもパースペクト・シフターの1つであると見なす立場から、日本語の従属節に稀に観察される絶対的時制の成立についてデータの分析を行った。その結果、絶対的テンスの解釈をもつ従属節のタイプは直接話法の領域と境を接し、それとの境界がはっきりと規定できない自由間接話法と類似点を持つことをつきとめた。そこで、これを記述し適切に分析するために、時制には可能世界や状況を値域とする(顕在化されない)時間的変項を含まれる、と仮定し、これを束縛する関数λと時間的変項が同一指標を持つか否かに基づいて従属節の時制解釈を規定する解釈枠組を暫定的に提出した。この研究結果は日本認知科学会において発表された(旅費)。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 時間的パースペクト・シフトと従属節のテンス2010

    • 著者名/発表者名
      山森良枝
    • 雑誌名

      神戸大学言語学論叢 7(印刷中(掲載確定))

  • [雑誌論文] Quotations as Discourse Perspective Shifters2009

    • 著者名/発表者名
      山森良枝
    • 雑誌名

      A.Rumshisky and Calzolari, N.(eds.)Proceedings of GL 2009

      ページ: 19-26

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『てある』・『ておく』構文について2009

    • 著者名/発表者名
      山森良枝
    • 雑誌名

      第26回日本認知科学会大会発表論文集

      ページ: 278-279

    • 査読あり
  • [学会発表] Quotations as Discourse Perspective Shifters2009

    • 著者名/発表者名
      Yamamori Yoshie
    • 学会等名
      Fifth International Conference on Generative Approaches to the Lexicon
    • 発表場所
      Pisa Italy
    • 年月日
      20090917-19
  • [学会発表] 時間的パースペクト・シフトと従属節のテンス2009

    • 著者名/発表者名
      山森良枝
    • 学会等名
      日本認知科学会
    • 発表場所
      慶応義塾大学(東京都)
    • 年月日
      2009-09-11

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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