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2011 年度 実績報告書

同時バイリンガル幼児の言語発達研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520421
研究機関関西学院大学

研究代表者

山本 雅代  関西学院大学, 国際学部, 教授 (40230586)

キーワード言語学 / バイリンガリズム / 同時バイリンガル / 言語習得/発達 / 言語混合 / コードスイッチング / 受容バイリンガル / 受容能力
研究概要

本研究の目的は、受容バイリンガル児の言語発達に言語混合(以後,CS)が果たす機能を考察することである。具体的な課題の結果は、
1.混合される言語要素の類別:分析対象の文中CS107中、最多は名詞類71(66.4%)で、その内訳は名詞40(37.4%)、固有名詞20(18.7%)、名詞句11(10.3%)であった。
2。言語混合の文法的適正:上記の通り、挿入される言語要素の過半数が名詞類と、活用しない形態素であり、文法的適正検証のためのデータが寡少であった。それでも不適正な例は検知されており、一例を引けば、"I like the おっきい"(#4/34)がある。これは、本来なら名詞句NPが埋め込まれるはずの位置に、名詞を伴わずに形容詞だけが現れたケースである。ただ、これは文法的適正の問題ではなく、語彙の不足から、続くべき語句の産出が頓挫したために生じたものとも考えられる。今後のさらなるデータを待ちたい。
3.劣勢言語の語彙拡張のための語相互の等交換性の確認機能:等交換性と見なすための一条件として、英語で発話された語句と言語を跨いだ同義語(異言語間同義語)と見なされる日本語による語句が、同一発話ないしは関連する一連の後続発話の中で使用されていることをあげるなら、女児:"I like the big one"/母:"おっきいほうがいいの?"/女児:"Yeah"/母:"うん"/女児:"I like the おっきい"(#4/32-34)のような例が見られる。こちらについてもデータが寡少であり、名詞、動詞、形容詞、副詞などの典型的な内容語の発達状況をにらみながら検証を継続していく必要がある。
産出データが寡少であることを特徴とする受容バイリンガルの研究では、分析のための顕示的データを得るには長期的にデータの収集を継続していく必要があることを改めて認識する結果であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 受容バイリンガル:「話す」ことはバイリンガルの必要条件か2012

    • 著者名/発表者名
      山本雅代
    • 学会等名
      大阪女学院大学国際共生研究所主催招待講演会
    • 発表場所
      大阪:大阪女学院大学(招待講演)
    • 年月日
      2012-02-27
  • [学会発表] Bilingual communication : How a receptive bilingual child uses her languages2011

    • 著者名/発表者名
      山本雅代
    • 学会等名
      2011 Hawaii International Conference on Social Sciences
    • 発表場所
      アメリカ:ハワイ州ホノルル市
    • 年月日
      2011-06-01
  • [学会発表] 私たちはなぜ「第1言語としてのバイリンガリズム」を研究するのか?2011

    • 著者名/発表者名
      山本雅代
    • 学会等名
      「第1言語としてのバイリンガリズム研究会」第4回研究会
    • 発表場所
      京都:キャンパスプラザ京都(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-14

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公開日: 2013-06-26  

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