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2011 年度 実績報告書

音節境界における分節音の有標性の序列に関する対照言語学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 21520422
研究機関秋田工業高等専門学校

研究代表者

桑本 裕二  秋田工業高等専門学校, 人文科学系, 准教授 (40333273)

キーワード最適性理論 / 音節構造 / onset / coda / 有標性 / カンボジア語 / フランス語 / スワヒリ語
研究概要

当平成23年度は、音節末における共鳴音の消失、融合などに関して、フランス語の男女交替形にみられる、例外的な派生と分類されている現象に対し、共鳴音としては同種であるが、鼻音と側面音の場合にはそれぞれ異なる分布となる。この現象に関しては鼻子音のもつ鼻音性が先行母音と融合して鼻母音を形成しうるのに対し、側面音は母音と融合できず、それを補填する形で高舌性を先行母音に与えてこれを高母音化させているということを結論づけた。最適性理論の枠組みで、両音節的な音節化を許可しない*AMBISYLL(abic)という制約を提案し、*AMBISYLL(LATERAL)>>*AMBISYLL(NASAL)のランキングにより、音節末が鼻音、側面音のそれぞれの分布の違いを説明した。以上の考察は"Sonority and syllable structure in relation to laterals in syllable endings: A morphophonological study in French"と題する論文にまとめた。
年度の後半には、前年に行ったカンボジア語の頭子音連続(onset cluster)分布に関する考察に対して、類似の頭子音連続、特に鼻音-阻害音連続を特徴とするバントゥー語の一つであるスワヒリ語のデータを解析することを目的とし、スワヒリ語の文法を基礎から学んだ。これに基づき、スワヒリ語の鼻音-阻害音連続の音節化に関して、鼻音-阻害音連続の頭子音連続をなす場合と、成節的な母音となり、単独で音節を形成する場合の分布の違いについて、後続子音との共鳴性の差の程度によって大まかには説明できることを突き止めた。この点に関しては次年度に成果発表を随時行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

音節境界のうち、研究期間のほぼ前半でcodaに関する研究を行い、後半でonsetに関する研究を行った。onsetで興味深い分布を見せている言語は、基礎から学ぶ必要があったが、それもほぼ完了して、分析し、研究期間最終年度に向けてそれらを有機的に関連づけていく素地はできている。

今後の研究の推進方策

本平成24年度中に、スワヒリ語のonsetの鼻音の分布について研究成果について口頭発表で報告する。また、それと関連して、前年までに行ってきたカンボジア語のonset clusterに関する考察を論文の形にまとめる。
年度の後半は、codaでの共鳴音の考察とこれらのonsetでの共鳴音をめぐる考察を関連づけて、統一的にまとめる準備をする。最終的にはこの点に関して論文にまとめる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Sonority and syllable structure in relation to laterals in syllable endings : A morphophonological study in French2011

    • 著者名/発表者名
      Yuji Kuwamoto
    • 雑誌名

      Tohoku Studies in Linguistics

      巻: 20 ページ: 1-13

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公開日: 2013-06-26  

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