前年度より取り組んできた、スワヒリ語の鼻音-子音結合の音節構造について、後続子音が有声音の場合は同一音節の頭子音結合となり、無声音の場合は鼻音が成節的となって単独の音節をなし、上記子音結合は異音節として分析されうることを導いた。この成果は、PAIK2012年4月例会(2012年4月21日)および日本アフリカ学会第49回学術大会(2012年5月26日)で報告した。 また、2010年に口頭発表したクメール語(カンボジア語)の頭子音結合の分布が、聞こえ度階層が高くなる順に並ぶという原則に従いながら、それに反する場合は聞こえ度階層の有声性に基づく再解釈と、Feature Geometry 理論に立脚した素性構造の複雑さが関わるという結論に達し、当該の成果を『東北大学言語学論集』第21号に発表した(題目:クメール語における頭子音連続の序列について)。 そして、クメール語の頭子音結合の序列に関連させて、英語に援用して考察したものを第144回日本言語学会(2012年11月24日)に口頭発表、さらに同考察を /sC/ 結合に限定して言語間対照を行いTCP2013年3月例会(2013年3月17日)で講演を行った。
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