(1)敬語規範ルールの妥当さの程度の数値化 敬語規範ルールとは、発話に関わる人物間の関係(上下関係、ウチソトの関係)に応じて用いるべき敬語的に正しい文の敬語的特徴に関する4つの属性:1.主語の人物の敬称の有無、2.補語の人物の敬称の有無、3.述語の敬語的属性(尊敬語、謙譲語I、謙譲語II(丁重語)など)、4.文末の敬語的属性(丁寧か否か)を規定したルールの集合であるが、各々のルールにおける各々の敬語的属性が一般の人々の敬語規範意識においてどの程度妥当と認識されているかを、前年度得られたアンケート結果にシェッフェ法の数値化アルゴリズムを適用することによって数値化した。これを全ルールについて行い、敬語規範ルールの妥当さの程度の表としてまとめた。 (2) 敬語誤用指摘システム改良 上記(1)で得た表を用い、研究代表者らが開発している敬語誤用指摘システムの改良を行った。具体的には、ルール中の敬語的属性のうち、一定の閾値(ユーザが自由に設定可能)より大きな値を持つもののみを誤用判定に用いるようにシステムを改良した。その結果、閾値の変更により判定の厳格さを柔軟に変える事ができるようになった。 (3) iPhone/iPadへの移殖 上記(2)のシステムをiPhone/iPadで利用可能にするためのシステム移殖を行なった。 (4)学会発表・出願 以上の研究成果について、電子情報通信学会2011年総合大会で1件発表(東日本大震災のため大会は中止となったが、予稿集は出版済みのため「発表」扱いとされた)すると共に特許出願を1件行なった。
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