研究概要 |
研究初年度である本年度は、本研究の目的であるオハイアット・ヌートカ語のドキュメンテーション研究および言語総合データベース構築のための基盤作りを中心に行った。 8月には3日から29日の27日間にわたり、カナダ、ビリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島ポートアルバーニにおいて現地調査を行った。現地では、母語話者の協力を得ての語彙調査、ヌートカ語共同体における文化的・社会的背景に関する聞き取り調査とそのビデオ・ICレコーダによる記録および書き起こし、またオハイアット部族評議会内にある言語保持・再生委員会との協力体制や言語データの保存の仕様・有効活用の方法などについての協議を行った。収集された音声・映像データはコンピュータに取り込み、光学メディア(CD,DVD)に焼き込み、保管を行った。また文字化されたデータを用い、コーパスの構築を始めた。 3月には21日から31日の11日間にわたり、ハワイ大学ヒロ校、マノア校において、少数言語保持プログラムの視察と少数言語の保持・活性化に関する資料調査および研究打ち合わせを行った。ヒロ校では言語保持プログラムの設立に初期から携わった担当教官らと、先住民言語のドキュメンテーション、コーパス記録、保持プログラムおよび教材開発についての方法・問題点などについての意見交換を行った。さらに言語保持プログラム(イマージョンスクール)の視察を行った。マノア校では言語ドキュメンテーション研究担当教官と今後の研究協力関係についての協議を行った。
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