研究概要 |
本研究では、消滅の危機に瀕し研究も未開発であるオハイアット・ヌートカ語において、コミュニケーションスタイルや言語コミュニケーションを取り巻く文化・社会的背景をも含め総合的に記録する「ドキュメンテーション研究」を目指し、言語データベースの構築を行った。 研究3年目、最終年度である23年度は、オハイアット・ヌートカ語の言語総合データベース構築のためのデータのさらなる拡充および整理を行った。 7月29日から8月30日の32日間にわたり、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島ポートアルバーニにおいて現地調査を行った。現地では、昨年度に引き続き母語話者との面談・インタビューを重ね、語彙調査やヌートカ語共同体における文化的・社会的背景に関する聞き取り調査を行った。面談の内容はビデオ・ICレコーダによって記録し、さらにその記録をもとに母語話者の協力を得ての情報の整理、オハイアット・ヌートカ語の語彙・テキストデータの書き起こしを行った。またオハイアット部族評議会内にある言語保持・再生委員会との協力関係のもとに言語データの保存作業・有効活用の方法などについての協議を行った。 収集された音声・映像データはコンピュータに取り込み、光学メディア(CD,DVD)に焼き込み、保管を行った。またコーパスの拡充に向けてデータの文字化をすすめ、同時に文法分析を加えて、語彙・テキストデータベースとして、研究の次段階での利用をめざし汎用性の高い共通フォーマットによる蓄積を行った。
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