研究課題
Sidaama語の名詞句を形成するクリティックの用法を記述し、名詞句のヘッドという概念は必要かという問題を扱った論文(平成21年度にLinguistic Association of Canada and the United Statesで発表)と、典型的な動詞枠付言語であるSidaama語の移動表現がこの類型的パターンから逸脱する事例を示し、マクロイベントとは何かという.問題を扱った論文(平成22年度に日本認知言語学会で発表)が出版された。平成24年3月に出版された『アフリカ諸語文法要覧』では、「シダーマ語」の章を担当し、この言語の文法の概観を記述した。平成23年7月のIntenational Cognitive Linguistics Conferenceの移動表現の類型論のセッションでは、Talmyの移動表現の類型論が視覚移動表現にも当てはまるかどうかという問題を、Sidaama語のデータを使って、論じた。平成24年3月の一般市民を対象にした国立国語研究所のフォーラムでは、日本語と他の少数の言語にしか見られないと言われる現象がSidaama語にもあるということを示す講演を行った。その他所属している様々な研究会で、Sidaama語の文法現象(人魚構文、移動表現、他動性、格標示)とその理論的問題に関する発表を行った。平成24年2月25日~3月23日にSidaama Zoneでフィールドワークを行ない、例文一つ一つをインフォーマントと確認しSidaama語の文法の改訂を進め、論文の執筆と発表の準備のためのデータを集めた。以上の研究の成果は、これまでに深く研究されていない言語の現象を理論的に中立な立場から記述し、言語類型的な問題に取り組んでいるという点で価値がある。
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日本認知言語学会論文集第11巻
巻: 11 ページ: 114-124
In LACUS Forum 36 : Mechanisms of Linguistic Behavior, pp.25-35. Houston, TX : Linguistic Association of Canada and the United States(Sutcliffe, Patricia (ed.))
巻: 36 ページ: 25-35
http://www.kazuhirokawachi.com/