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2010 年度 実績報告書

アブハズ語のデータベースに基づく文法記述の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21520434
研究機関名古屋大学

研究代表者

柳沢 民雄  名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (80220185)

キーワード言語学 / アブハズ語 / データベース / 文法
研究概要

アブハズ語のデータベースを用いて以下の三分野の文法記述を行った。
(1) 音韻論の分野:収集したアブハズ語のデータベースを用いて動詞複合体のアクセントを記述した。また形容詞と名詞の派生語のアクセントを記述し、アクセント法を確立した。さらに類型論的にアブハズ語のアクセントを考察し、北西コーカサス祖語段階での音調言語との類似を指摘した。子音と母音の出現頻度を調査し、類型論的な音素の出現頻度との一致を確認した。長母音の音韻的解釈をまとめた。
(2) 形態論の分野:データベースを用いて、終止形と非終止形の動詞複合体のクラス・人称接頭辞の配置と様々な文法範疇を表すマーカー(例えば、疑問、動詞前綴辞、否定、使役、可能などのマーカー)の働きをまとめ、記述した。名詞、形容詞、代名詞、数詞の形態を記述した。特に名詞と形容詞については複数形と派生形を記述するとともに、それらのアクセント移動の規則も確立した。
(3) 統語論の分野:アブハズの民話・神話テキストのデータベースを用いて、テンス・アスペクトの構造をデスコースのレベルで調査した。アブハズ語においては、アオリストに対して未完了的アスペクト(すなわち状態動詞や動態動詞の現在時制あるいは未完了過去)が対立しており、デスコースの「前景」と「背景」においてもこの対立があることが確認できた。他の完了形や未来形についてもテキストを用いて調査し、これを記述した。またテキストのデータベースを用いて、動詞複合体内の空間・場所の表現方法、および動詞複合体によって形成される関係節の構造を調査し、これを文法の形にまとめた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Abkhaz Text (8) Ts'an2011

    • 著者名/発表者名
      柳沢民雄
    • 雑誌名

      名古屋大学国際言語文化研究科 言語文化論集

      巻: 31(2) ページ: 91-100

  • [雑誌論文] ロシア語の文の成分2010

    • 著者名/発表者名
      柳沢民雄
    • 雑誌名

      国文学解釈と鑑賞

      巻: 75(7) ページ: 135-140

  • [図書] ニューエクスプレス・スペシャル ヨーロッパのおもしろ言語「アブハズ語」2010

    • 著者名/発表者名
      柳沢民雄(町田健監修)
    • 総ページ数
      8-27
    • 出版者
      白水社

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公開日: 2012-07-19  

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