1、本年度は、理論言語学で蓄積された対照研究の法論をトルコ語に応用し、英語と日本語の対照研究で考察されてきたことがトルコ語の分析にも有効であることを検証する作業を中心に行った。また、その成果を第二言語として日本語を学ぶトルコ語話者の教育に活用するための方法諭も合わせて検討した。 2、本計画は文法の観点と教育の観点の2つの側面からアプローチを試みるものであるが、本年度は文法の観点から、語の意味が文の意味にどのように反映されているかが、トルコ語と日本語では異なるということを特質構造などの理論言語学より得られた概念を応用し、実証的な言語データーの蓄積を行った。また本年度はトルコで日本語を第二言語として学ぶトルコ人の言語資料の収集も行った。 3、六つの科研研究プロジェクトで合同研究集会を企画し京都大学・羽田記念館にて実施した。研究課題「地球化時代におけるアルタイ諸語の急速な変容・消滅に関する総合的調査研究」、「多重言語使用からみたアジア地域の言語生態」、「中世モンゴル語研究の統合」、「ウイグル語仏典断片の文献学的研究」、「トルコ語と日本語の対照研究とその実践的応用」、「アルメニアのe-ラーニング教材の開発と電子版学習辞書の編纂」に関わる総計約40名の研究者が参加し意見交換を行った。 4、本年度の研究実施経過は以下の通りである。 (1)先行研究についての資料収集4月-9月 (2)調査資料の整理10-12月 (3)学会および研究会での発表の準備11月-2月 (4)トルコ国立図書館での資料収集3月 (5)学術論文の作成と国際研究集会への応募2月 (6)22年度の調査のインターネットへの公開現在準備中
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