三年に渡る研究計画により、本研究の当初の目的である実証的研究の基礎となる中国・東北部、華北地方、新彊ウイグル自治区での現地調査を予定通り各一年ずつ実施することができ、現代満洲語および錫伯語教育の現状を確認する基礎的資料とされる初等教育教材を入手することができた。これらを比較することで、今日の少数民族語が置かれた危機言語としてのこれら両語の位置づけに関して、考察を行うことができた。また、北京の中国社会科学院図書館では清代満洲語文献のうち、研究対象としていまだ未着手の『満蒙消遣』と『満洲繙論』を電子資料化することができ、文語研究の一資料とすることができた。
|