研究概要 |
過去2年間の研究成果を元にして,今年度はその成果をまとめ,さらに応用研究を行った。 まず理論的研究に関しては,昨年度に引き続き,名詞のもつ遂行性の研究を続けた。特に昨年度研究成果を発表した親族名称を表す名詞に加えて,職業,敬称をあらわす名詞を引き続き研究すると周時に,新たに呼びかけ語をとりあげた。呼びかけ語に関しては,フランス語で新たに発表された最近の研究に基づき,上記の名詞の引用節の中での役割を特に研究し,遂行性との関連を明らかにし,日仏の引用句,さらには話法の違いを統一的に説明する可能性を探った。研究の最終成果の一部は,平成24年7月に開催される第三回フランス語学世界大会で発表し,学会プロシーディングスに掲載されることが決定している。 上述のに基研究の応用として位置づけている特定目的のためのフランス語教材「国際機関で働きたい人のためのフランス語講座」に関しては,当初の予定通り,本年で重点的に制作を行った。この制作には,フランス国オルレアン大学の書語科学学科の教員とスタッフと研究協力をすることができ,フランス語部分の校閲,録音を委託した。成果は,研究代表者のホームページで近日中に公開予定である。また,その一部は,科学技術融合振興財団の研究助成金を得て,さらにiPhone,iPad用アプリケーションとしても利用できる形で開発した。その開発の過程で,ゲームの手法を利用した言語教育にけるマルチメディアとの可能性について考察できた。
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