研究課題
本研究の目的は、日本語と韓国語の呼称語と述語表現の多様な共起関係に対する容認性判断に及ぼす個人の性格特性の影響を明らかにすることである。本年度は、「呼称語と述語表現の共起関係に関する容認性判断」の調査項目及びその容認性判断の形成に及ぼす個人属性・性格特性の影響力を調べるための性格特性尺度について検討を行った。性格特性の尺度については、Wong&Lawが開発した「EI(Emotional Intelligence)」が最も適応していると判断し、英語版をもとに日本語版と韓国語版をそれぞれ作成した。しかし、EIはもともと北米で開発されたものであることから日本人と韓国人の特性をうまく測定できるかどうかがの問題が残されている。そこで、日本人と韓国人に対しても用いることができるかどうかを検証するため、日本人と韓国人の大学生を対象にしたEI調査を実施した。ウォント法と構造方程式モデルを使って分析を行った結果、日本語版と韓国語版ともに信頼係数の高く、日本人と韓国人に対しても適応できることが検証された。また、韓国人の虚構的呼称使用(他人に対する親族名称使用)の受容度に及ぼすEIの影響について調査を行った結果、EIの4つの尺度SEA(self-emotion appraisal)、OEA(Others'emotion appraisal)、UOE(Use of emotion)、ROE(Regulation of emotion)のうち、韓国人の虚構的呼称使用にはUOE(Use of emotion)が一貫して影響していることが分かった。来年度は、本年度に検討した調査結果を踏まえ、日本語と韓国語の呼称語と述語表現の多様な共起関係に対する容認性判断に及ぼす性格特性の影響に関する調査を行っていく計画である。
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