研究課題
本年度はおもに海外出張による資料収集に基づいて論文、研究発表、図書を発表した。以下の概要を記す。8月26日~9月19日の日程でインドネシアの南スラウェシ州、中スラウェシ州、マレーシアのクアラ・ルンプール、スランゴール州において言語調査状況調査、文献資料収集を行った。南スラウェシ州、中スラウェシ州については、東南スラウェシ州も含めて来年度も継続して調査を行う必要性を感じた。マレーシアについては、西マレーシアより東マレーシアにおいてスラウェシ島南西部からの移住者の言語の研究が進んでいるということが把握できた。得られた資料は以下の研究成果発表に用いられた。論文は、本研究の中心的な対象である南スラウェシ語群の言語にたいする比較言語学上の研究成果である。研究発表は、南スラウェシ語群における比較言語学上の重要な形態法を論じたもの、およびスラウェシ島南西部の言語研究状況について概観するものである。本年度、研究代表者および研究協力者は二つの共著書にそれぞれ研究成果が載録された。研究代表者編のPenelitian Bahasa Daerah di Sulawesi Selatan dan Sekitarnya(「南スラウェシ州およびその周辺の地域語研究」)は、南スラウェシ州にある6名の国立言語研究所の研究員と研究代表者、研究協力者の8名により南スラウェシ州およびその周辺部の言語研究の現状を概観した本研究の対象地域の研究者にとって必携のものになるであろう。また、使用言語をインドネシア語にしたことにより、インドネシア、マレーシアの研究者、さらに同地域の言語を研究している各国の研究者が利用できるものとなった。池田哲郎編『言語と文化の接触』に載録された研究代表者、研究協力者の研究成果は、スラウェシ島南西部の言語研究について研究代表者が言語研究状況、研究協力者が現地研究機関の状況について書いたもので、現地研究を行うものにとっての重要な情報が含まれている。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
"Penelitian Bahasa Minoritas di Sulawesi Selatan dan Sekitarnya" in Penelitian Bahasa Daerah di Sulawesi Selatan dan Sekitarnya(Hokuto Publishing Inc.)
ページ: 29-40 IX+95
"Analisis Hasil Penelitian Balai Bahasa Provinsi Sulawesi Tengah dari Segi Jurnal Multilingual" in Penelitian Bahasa Daerah di Sulawesi Selatan dan Sekitarnya(Hokuto Publishing Inc.)
ページ: 17-28 IX+95
インドネシア共和国スラウェシ島南西部の言語(池田哲郎(編著))言語と文化の接触(京都産業大学教授池田哲郎(845研究室))
ページ: 19-26
インドネシア共和国南スラウェシ州および中スラウェシ州の言語研究所-その歴史と現状-(池田哲郎(編著))言語と文化の接触(京都産業大学教授池田哲郎(845研究室))
言語文化学会論集 第33号
ページ: 81-100