本年度はおもに海外出張による資料収集に基づいて論文執筆、研究発表、図書発行を行った。以下に概要を記す。 8月8日~9月5日の日程(校務出張部分の8月16日~17日を除く)でマレーシアのサバ州、クアラ・ルンプール、インドネシアの首都ジャカルタ、南スラウェシ州のマカッサルにおいて言語調査状況の調査、文献資料収集を行った。マレーシアのサバ州のコタ・キナバルでは、マレーシア・サバ大学の学問・言語学習促進センターで現地研究と会い、貴重な情報を手に入れることができた。コタ・キナバルとクアラ・ルンプールでは文献収集を行った。 インドネシアでは、ジャカルタにある国立言語発展・建設局を訪問し、研究への協力の依頼、文献収集を行った。その後、研究の中心地である南スラウェシ州に行き、ウジュン・パンダン言語研究所において本研究最終年度の最終チェックを行った。また、文献収集も行った。 本年度の研究成果は(これまでの調査成果も含め)、書籍発行、論文、学会で発表された。今年度の成果の中には、インドネシア、マレーシア、韓国、日本の研究者の論文を集めたインドネシア語で書かれた論集の編纂がある。対象地域の言語研究の国際的貢献に役立つ成果である。 本研究課題が、現地へ成果還元ができたことも報告したい。マッセンレンプル語が話されている、インドネシア共和国、南スラウェシ州、エンレカン県の知事より、昨年度に編纂した「マッセンレンプル語の(方言)対照文法」を教材として用いたいとの意向が伝えられたので、同地域に送付した。なお、マッセンレンプル語の資料の電子化も行った
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