1、奄美諸方言に関する研究書・報告書、および内容類型学に関する論文等の読みあわせをおこなうとともに、研究代表者(田畑千秋)と研究協力者(松本泰丈)のこれまでの調査、報告、研究を相互点検して、現地調査の準備とした。 2、類型学研究会(京都大学)に出席し、理論的研鑽をふかめ、研究会メンバーと意見交換をした。またこれまでの研究を整理して、研究代表者(田畑)が、当該研究会で2回の研究発表をおこなった。発表題目は「奄美大島名瀬方言の主語と述語、そして補語」(1)・(2)、である(学会発表参照)。 3、研究代表者(田畑)は、奄美大島と徳久島において、危機言語といわれる奄美諸方言の大切さを説き、奄美の人々と意見交換をした。そして、当該研究課題と関係が深い講演を奄美大島と之島でおこなった(学会発表参照)。 4、研究協力者(松本)は、東京外国語大学日本課程、白馬日本語研究会、海山言語研究会において当該研究課題と関係が深い研究発表をおこなった(学会発表参照)。 5、研究代表者(田畑)と研究協力者(松本)は、奄美諸方言を喜界島と奄美大島で調査、内容類型学的観点からとちえなおして、活格現象にかかわる側面をほりおこした。主な調査地は、喜界島(荒木集落、上嘉鉄集落、阿伝集落他)、奄美大島(川上集落、和野集落、戸円集落、蘇刈集落他) 6、現在、9月におこなった地調査をもとに、奄美諸方言の文法記述をふかめるとともに、当該諸方言の記録・保存をおこなっている。
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