研究課題/領域番号 |
21520472
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
上野 智子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (20127616)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 重ねことば / 日本語方言 / 地域性 / 異形反復 / オノマトペ |
研究概要 |
4年目の成果として、次の16県下の調査が完了した。文献数に差があったり、県立図書館の開館および閉館時間の都合、滞在日数との兼ね合いなどのため、現地滞在中に調査できなかった文献は、帰着後大学図書館の相互貸借システムを活用して、調査を補足することができた利点も大きい。 1.兵庫県/4月 2.新潟県/5月・富山県/5月・福井県/5月 3.福岡県/7月 4.佐賀県/8月 5.秋田県/9月・青森県/9月・岩手県/9月・宮城県/9月 6.愛知県/11月 岐阜県/11月 7.静岡県/3月・山梨県/3月・長野県/3月 8.滋賀県/3月 1回の出張で何県回れるかは、日程と距離に大きく左右されるが、過去3年間の調査経験をふまえて、上記のように、8回で平均1回あたり2県が達成できたことになる。まだ残っている都道府県は最終年度である次年度に完了させたい。西日本は京都府を残して調査を完了したが、東北南部と関東地方に未調査県が残った。そのため、まず5月はじめに山形・福島両県を調査し、8月末に千葉・茨城両県を調査する。残る、栃木・群馬・神奈川・埼玉4県は年度末までに終えたい。なお、京都・東京・北海道の3都道府の調査は現在のところ、見送らざるをえない状況にある。京都は『京都府方言辞典』を資料として補うことが可能、東京・北海道に関しては調査の必要性は小さいと判断するからである。 調査を押し進めながら、あらたに日本語以外の言語との比較を行う必要性を感じるようになった。この種の研究が日本語・日本語方言関係の参考文献がないためである。膨大な資料をどのように整理し、分析すればよいかについて、言語の壁を越えて考察しなければならないと痛感する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4年目に入り、過去3年間の経験を十分に活かせるような環境が整ってきたため。
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今後の研究の推進方策 |
調査を押し進めながら、あらたに日本語以外の言語との比較を行う必要性を感じるようになった。この種の研究が日本語・日本語方言関係の参考文献がないためである。膨大な資料をどのように整理し、分析すればよいかについて、言語の壁を越えて考察しなければならないと痛感する。この目的を達成するために、9~10月の2ヶ月間、アメリカ合衆国のエール大学 East Asian Languages and Literatures において、各国の研究者と意見交換や議論をまじえる計画を立てた。当初にはない計画の変更点であるが、往復の旅費は交付金の半分をあてることができるため、問題は生じない。 調査の進展の中で芽生えた問題意識を実践に結びつけ、年度内の資料の整理に努める。
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