研究課題/領域番号 |
21520473
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
杉村 孝夫 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60083234)
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研究分担者 |
日高 貢一郎 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (30136767)
二階堂 整 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (60221470)
松田 美香 別府大学, 文学部, 准教授 (00300492)
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キーワード | 言語生活 / 言語変容 / 大分県方言 / 談話分析 / 方言談話資料 / 文末助詞 |
研究概要 |
本研究の目的は以下の通りである。本研究は、日本において1950年代から行われてきた全国的規模の方言談話資料の記録・保存の事業及び近年の「消滅の危機に晒された言語・方言」の記録・保存の動向を背景とする。個別状況として、大分県方言の1954-1959年及び1983-1986年の2次にわたる均質かつ良質な方言談話資料の存在があり、まず、これに加えて第3次として2009-2011年の大分県方言談話を臨地により収録する。次に、これを方言談話資料として文字化し、3次の資料を比較分析することによって、大分県方言の50年間における言語生活の変容を解明しようとするものである。これにより、言語生活の変化に関する一般法則を導き出すことが本研究の目的である。 21年度は第1次資料(1954-1959年収録)及び第2次資料(1983-1986年収録)についての整理を行った。第3次の大分県方言談話の臨地収録については21年度は大分県内の5地点、22年度も5地点において談話を収録し、文字化、共通語訳、注記を施し、方言談話資料を作成した。 23年度においては、さらに3地点の談話の収録を行ったので全体目標の12地点を上回り、3年間の合計は13地点となった。22年度に文字化の方法の標準を作成し、3年分の資料を統一的に整理することができた。 言語生活の変容の解明に関しては、文末助詞の抑揚と機能、辞去の場面の分析モデルの考察などを行った。文末助詞は、資料の特性を生かした形態と音声の両面から分析した。辞去の場面(夜近所の家を辞する場面)の分析では、談話を構成する機能を抽出し、世代と経年比較を行った。その結果、世代差が大きいことがわかった。今後大分県以外の地域と比較することにより地域差を探っていきたい。この他多くの面での考察は進行中である。
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