研究課題/領域番号 |
21520477
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研究機関 | 尾道大学 |
研究代表者 |
灰谷 謙二 尾道大学, 芸術文化学部, 准教授 (60279065)
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研究分担者 |
友定 賢治 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80101632)
有元 光彦 山口大学, 教育学部, 教授 (90232074)
岩城 裕之 呉工業高等專門学校, 一般科目, 准教授 (80390441)
小西 いずみ 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60315736)
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キーワード | 西日本海 / 言語伝播 / 海上ネットワーク |
研究概要 |
本研究は、大陸と日本の交流において日本海という交通路がどのような役割を果たしてきたのかを明らかにしようとするものである。特に朝鮮半島から北部九州ならびに出雲地方への言語交流の存在とルートである「海の道」を方言学の見地から実証し、日本海域西部域と大陸の間に"海上ネットワーク"が存在し機能したことの検証とその理論化を目的とした研究である。 今年度は隠岐を経由し山陰・出雲地方へわたる島伝いルートの調査と検証を企画した。 文法・音声音韻・語彙の各分野について分担者が企画をたて、文法分野においては文法項目調査では、一段活用動詞、五段の各行活用動詞、カ変・サ変のそれぞれについて基本形、否定、終止、連体、命令、~タ、~テ(+キタ,ミロ)、仮定、意志・勧誘、推量、使役、受身の各形式を調査した。音声音韻項目においては、中舌母音を中心とする項目の調査をおこなった。語彙分野では、風位名語彙、潮汐に関する語彙、漁場確定語彙についての漁撈関係語彙ならびに餅、団子等の穀物食についての食生活語彙を調査した。8月30日~31日に松江市八束町大根島(音声文法)、出雲市小伊津町(漁労語彙)、10月10~12日に隠岐郡隠岐の島町中村(全分野)というスケジュールで調査をおこなった。 語彙については旧平田市の小伊津町における漁場確定語彙調査の結果、後背地の山影と東にみえる山影を縦横の軸として重ね合わせる方法がとられていた。対馬における類似の方法と重ね合わせて、瀬戸内海の閉鎖性水域とはことなるいわば開放系漁場特有の認識方法の存在を予想させるデータが得られた。
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