3年間の最終年度として、以下の研究成果をまとめ、その電子データをDVDに収めた。 1.凡例2.新編浮雲(再版)本文3.新編浮雲(再版)語彙索引4.新編浮雲(再版)漢字索引5.新編浮雲初版・再版の異同一覧6.遠藤好英氏架蔵再版本(PDF) これらのデータの研究上の意義については、研究当初より明らかにしてきたが、より具体的にそれぞれについて挙げれば、以下のようになる。 1.は、とくに語彙索引・漢字索引における単位認定や語・文字の同定などについて、資料に即した、新たな方法を明らかにした。2.では、電子データ化自体もさることながら、従来は無視されてきた、漢字の字体、変体仮名、各種符号などを極力再現できる方法を試みた点に、意義がある。3.および4.は「浮雲」のみならず、近代資料における、ほとんど初めてといえる、電子データによる索引である。5.および6.は、これまでに公開されることのなかった成果であり、当時の出版状況を検討するうえでも好個のデータである。 全体として、近代当初の日本文学・日本語・出版などに関する今後の研究にとって、資料それ自体の価値はもとより、電子データとすることによって、目的に応じて、その改変・加工が可能となり、飛躍的な展開が期待できる。
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