研究課題/領域番号 |
21520490
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
井上 文子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 准教授 (90263186)
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研究分担者 |
熊谷 康雄 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, 准教授 (30215016)
三井 はるみ 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 助教 (50219672)
井上 優 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語対照研究系, 教授 (30213177)
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キーワード | 間投助詞 / 間投詞 / 談話資料 / 地域差 / 世代差 |
研究概要 |
平成21年度は、『全国方言資料』『方言談話資料』『全国方言談話データベース』といった方言談話資料や『方言文法全国地図』などの言語地図、各地の調査報告などを基礎データとして、各地域言語における間投表現の形式を整理し、その地理的分布を概観したうえで、間投表現に関して特徴的な重点地域として、大阪府大阪市を選定した。そして、間投表現の記述に必要な項目を検討し、データ収集のための談話の収録調査を実施した。 談話収録調査では、高年層(70歳代)3名の談話、若年層(20歳代)1名と中年層(40歳代)1名の対話を、それぞれ約60分程度録音した。あわせて、談話を分析する際には非言語行動の重要性も高いため、会話場面も録画した。収録にあたっては、録音・録画した資料を研究データとして利用・公表することについて、インフォーマントに充分な説明をおこない、同意を得て、許諾を受けた内容を書面にして取り交わした。 収集した談話は、録音・録画をもとに、方言音声の文字化、共通語訳、注記付与を開始している。文字化・共通語訳・注記は研究組織のメンバーで校閲し、言語データとして利用できるように整備する。 収集した談話を活用して、実際の談話に現れた間投表現について観察し、間投表現の使用の実態とその機能について記述・分析し、間投表現の地域間の比較、同一地域の世代間の比較、場面の比較をおこなう準備を進めている。 基礎データとした『全国方言談話データベース』には、昭和52年に収録された大阪府大阪市東区(現・中央区)における明治31年~大正3年出生の話者の談話が含まれている。この方言談話で用いられている間投表現と比較しながら、新規に収録した高年層談話・中年層談話・若年層談話で用いられている間投表現の特徴について、記述・比較・分析を試みようとしている。
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