研究課題/領域番号 |
21520491
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
田中 牧郎 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (90217076)
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研究分担者 |
小木曽 智信 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (20337489)
小野 正弘 明治大学, 文学部, 教授 (90177270)
近藤 明日子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, プロジェクト特別研究員 (30425722)
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キーワード | 国語学 / 言語学 / コーパス / 近代語 / 現代語 / 語彙史 / 語法史 |
研究概要 |
コーパス言語学の方法を近代語から現代語への史的研究に本格的に導入し、近現代の「単語情報付きコーパス」を用いた語彙・語法史研究を進めた。平成21年度の実績を踏まえ、平成22年度は次の三つのことを実践した。 (1)解析辞書「近代文語UniDic」の拡張と近代雑誌コーパスでの活用 平成21年度に引き続き、近代文語を対象とした形態素解析辞書「近代文語UniDic」への、語彙増補を継続した。これを用いて、『明六雑誌』、『国民之友』、『太陽』、『中央公論』を対象とした、明治初期から昭和戦前期の雑誌コーパスに形態素解析を施し、その語彙頻度表を更新し、信頼性の高いデータにした。 (2)近代教科書の形態論情報付きコーパスの試作 『高等小学読本』を対象に、「近代文語UniDic」で形態素解析を行い、読本本文に形態論情報を埋め込んだ「形態論情報付きコーパス」を試作し、その活用例を明確に示した。 (3)近代の語彙・語法史の記述の高精度な実践 上記の雑誌コーパスと語彙頻度表を用いて、語彙史と語法史の記述研究を進め、例えば次のような成果を得た。 ・語種構成の変動の研究 近代雑誌コーパスの語種構成の推移を調査し、明治中期までは漢語が増加するがその後減少に転じること、高頻度の基本的な語彙の仲間入りをする漢語には接辞や用言性のものが多いことなどを明らかにした。 ・定着する漢語の研究 雑誌『太陽』のコーパスを対象にして、二字漢語サ変動詞の頻度をもとに定着傾向が著しい漢語を特定し、それぞれの語が定着する語彙論的な背景を解明した。 ・補助動詞の研究 雑誌『太陽』のコーパスで、補助動詞「去る」の用法を分析し、古典語「つ」「ぬ」から現代語「てしまう」に交替する時期に広く用いられたものであることを実証し、古典語から現代語への推移の中で近代文語独特の文法形式が果たす役割を明確にした。
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