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2010 年度 実績報告書

結果句と経路表現の認可条件―直接目的語制約に替えて

研究課題

研究課題/領域番号 21520515
研究機関東京理科大学

研究代表者

丸田 忠雄  東京理科大学, 理学部, 教授 (10115074)

キーワード結果句 / 語彙意味論 / 直接目的語制約
研究概要

英語の結果句には直接目的語制約と呼ばれる条件が働いているといわれている(Levin and Rappaport Hovav 1995)。例えば、Mary baked the cake dirty.において、dirtyな状態になったものは直接目的語のthe cakeで、主語のMaryではない。この制約は確立したものとされ、自動詞が非対格動詞化非能格動詞化に判別の診断法にも用いられている:*Mary laughed hoarse/The pond froze solid。しかし、この制約には未解決の反例も多く指摘されてきた。例えば、She danced/swam free of her captors.では、これらの動詞は非能格でありながら、結果句は主語を指向しうる。本年度の研究においては、これらの反例を前に、直接目的語制約を根本的の再考察し、背後に働いている真の原理を捉えるべく研究を行った。成果としては、結果句は状態と場所の二つのカテゴリーに分けられ、それぞれ場所的Theme、状態的Themeを指向するという原理を得た。したがって、たとえ非能格動詞であってもこの条件に合えば主語指向の結果句は可能となる。本仮説の予測通り、John died stiff with rigor mortis.のようなデータが発見された。Dieは非能格動詞であるが、Johnは意味的には状態変化の主体であり、それを指向する結果句stiffが予測通り現れる。またJohn drove his car to New York.では、Johnは意味的には移動主体の側面をもっており、場所的な主語指向の結果句to New Yorkが可能となる。本仮説から予測される多数の例が実際にコーパスから発見され、その妥当性が証明された。主語指向の結果句は中国語などにも多くみられるが、意味を分析すると本仮説が合理的に説明できることが分かった。これはまた新たな成果と言える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Locative Alternation Revisted-Fine-Grained Semantics of Spray/Load Verbs2011

    • 著者名/発表者名
      Tadao Maruta
    • 雑誌名

      東京理科大学紀要(教養編)

      巻: 43号 ページ: 235-253

  • [雑誌論文] ことばから脳内をのぞく-音読障害の症状から-2010

    • 著者名/発表者名
      丸田忠雄
    • 雑誌名

      理大 科学フォーラム

      巻: 315 ページ: 35-36

  • [学会発表] Account for~の新しい用法 unaccounted-forからの意味的逆成か2010

    • 著者名/発表者名
      丸田忠雄
    • 学会等名
      日本時事英語学会第52回年次大会
    • 発表場所
      東海大学高輪キャンパス(東京)
    • 年月日
      2010-10-03

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公開日: 2012-07-19  

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