研究概要 |
(1)-(3)にあるような動能構文は多くの研究者によって分析てきた。 (1)Paul hit at the fence. (2)Margaret cut at the bread. (3)I pushed at the table. (4)*Monica touched at the cat. (5)*Jane broke at the vase. Pinker(1989)は、このような事実から、動詞の意味に含まれている意味要素を抽出し、[+motion]と[+contact]の両者を持つ動詞がこの構文に現れると主張した。 しかし、接触動詞(6)が容認されず、達成動詞の(7)が容認される理由は不明であった。 (6)*Paula spanked at the naughty child. (7)Carol carved at the stone. 本研究では、次のことを明らかにした。 1) at句の意味(8)と動詞の意味(9)の相関で本構文の文法性が判断される。 2) at句と用いられると、[contact]や「結果位置状態」が意味的に背景化される。 3)動詞の中心的な事象が背景化される動能構文は認められない。 (8)at句a.「点」を表し、全体ではない。b.経路がなく、到達するとは限らない。 (9)([x ACT-ON y])/(+motion,+contact)CAUSE[BECOME([y BE-AT z]])/(結果位置状態) 例えば、結果の形が意味的に中心である(10b)(11b)は、この構文に用いられない。 (10)a. He was chipping at a bock of stone when I entered his workshop. b. *He chipped at potatoes. (11)a. Brian was wiped at the table. b.*Jack trimmed at his dog.
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